2010年9月16日木曜日

先生の畑

晴れ。

なんだか集中力が切れている。フォークを積み忘れ、耕運機を溝に落とし、トラクターの部品を逆に取り付け、平鋤が浅すぎ、ロータリーに絡んだ草をとり忘れた。

先生と何かの拍子で、食べ物の好き嫌いはあるか、という話になった。
先生には食べられないものがあると言う。
韓国で虫の繭(直径1cm長さ3cm茶色)と豚の肉を豚の腸に詰めて超濃度の豚骨スープで煮込んだものと犬の鍋が食べられなかった。フィリピンで孵化しかけの鶏の卵が苦手だった。インドで朝昼晩と繰り返される同じ味のカレーと羊と呼ばれる山羊料理の臭いに苦戦した。そうだ。
そりゃ誰でもそうですよ。それは好き嫌いとは言わんと思います。

畑は人を映す。
先生の畑は先生の性格どおり生命力がある。もちろん作物もそうだ。
理由を考えてみた。
先生の人間性は両津堪吉に通じるものがある。もちろん僕はこち亀ファンだ。両者とも種々のバクテリアと相性が良さそうだ。
先生は鶏を飼育している。鶏に毎日発酵飼料と雑草を与える。発酵飼料には飼料用ぼかしが入っていて、その中には多種のバクテリアが入っている。鶏は雑草も食べるが食べ残された雑草と発酵飼料が体内を通過した糞が程よく混じる。糞の仲にもたくさんのバクテリアが含まれている。鶏舎の床にはその堆積物が溜まる。それが今度は肥料用ぼかしとして更に多くのバクテリアによって発酵され、肥料として畑に入る。畑には多くのバクテリアが住むことになる。つまり、土の中は多くの有機物で満たされることになる。だから作物が健康に育つ。
有機農業の本には当たり前に書いてあることだが、こんなめんどくさいことあんまり実践されてない。
先生はこれを20年間続けてきた。

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